男や女の性についてがリアルに描かれていて、、、読む人によっては結構しんどい思いをするかもしれないです。
平行して『おんなのいえ』 も読んでたのですが、こんなにも違うタイプの話を同時に書けるって作者さんすごいな~と感じました。
あらすじ
『先生の白い嘘』 鳥飼茜 全8巻
美鈴は24歳の高校教師。自分を見下してくる「親友」の美奈子の婚約者である早藤に襲われた過去があり、現在も関係を強要されている。
美鈴の生徒である新妻はバイト先の人妻から強引に関係を迫られていた。
新妻が自分と同様に意思とは無関係に他人に身体を奪われているという事を面談で知る美鈴。
美鈴は男と女の不平等さへの不満をまっすぐ新妻にぶつける。新妻はそれを聞き美鈴を強く意識していくようになる。
美鈴は下半身の画像をダシに早藤に脅され関係を続けさせられていた。
早藤は他にも合コンで玲菜を摘み食いし心酔させていた。
美奈子は早藤が浮気をしているという事に勘付いているが、気付かない振りをしている。
新妻は親身になっている風を装って近付いてきた学校一の美女・三郷佳奈(通称ミサカナ)に美鈴との事を色々話してしまう。
ミサカナに吹き込まれ新妻は美鈴を救いたいと家に押しかける。恐怖した美鈴は新妻を拒絶する。
玲菜が働く歯科医に美奈子が訪れ、玲菜は美奈子が早藤の婚約者だと気付く。美奈子さえいなければ自分と早藤は上手くいくと考える玲菜。
美奈子が妊娠し、時間が経つにつれ早藤は精神が不安定になっていく。
美鈴は新妻からの誠意ある告白を受け入れ、距離が近付く。しかし美鈴が好きなはずなのにキスをしても下半身が反応しない事に戸惑う新妻は……?
ネタバレあり感想
何年か前にこの作品がとても話題になった頃、単行本を一気に買ったんですよね。でも読んでいて辛いというか胸糞悪いというか。後半からは手元には残さないよう、レンタルするようになりました。
それくらい、面白いよね〜とか気軽に言えない作品……。性犯罪被害者の傷をグリグリと抉る漫画ですしね。
登場人物みんな闇を抱えてて。学校一の美女ミサカナだって兄との事やらで病んでますし、普通のかわいい女だった玲菜だって、美奈子に薬盛るような事しでかすし、登場人物全員どうなってんだよぉぉっていう中の唯一の清涼飲料水である和田島くん。
今時のチャラ男がこんなに場面を柔らかく和ませてくれるとは。登場すると一息つけるというか安心できました。笑
新妻くんには美鈴でないとダメだけど、和田島くんがミサカナを闇から引っ張り上げてくれるでしょう。
早藤のようなクズは現実だと一生反省せずにそのまま生きていく気がする。ましてや自分から命を絶とうとするとか有り得ないような……。
早藤にかなり似たタイプの鬼畜男を知ってますが、やはり自殺するようなタマじゃないですね。何食わぬ顔で今も悪事を重ねてると思います。
その彼もやはり生い立ちが複雑で宗教が原因で一家離散しているという悲しい過去をもっていたなぁ。だからって人を傷つけていいわけないですけどね!胸糞悪い!!怒
早藤は生い立ちから、暴力で女を支配するという形にこだわるけど、女は心を許せないし恐怖の対象なんですもんね。早藤には美奈子みたいな肝っ玉座った女が必要なんですね。
美奈子は最後の最後で1番出来た人間なのかも、と感じました。懐深いいい女だよ。子供に愛情を沢山注いでいい子を育ててくれると思います!
こんだけ闇に飲み込まれそう〜っていう展開からよくこの結末に出来たなと。誰も救われない絶望endだとばかり思って読んでいたので爽やかに終わって良かったぁ……。